2004年04月24日
川俣晶の縁側歴史と文化歴史資料館巡り total 5022 count

消防博物館・新宿歴史博物館・所蔵資料展 描かれた新宿

Written By: 川俣 晶連絡先

 今日は新宿歴史博物館消防博物館に行ってきました。

 その理由は話せば長いことながら。

 複数要因によると思われる、ここしばらくの身体の不調、体力低下は著しいものがあります。近所に買い物に出るだけでも、帰り着いたときにへとへとという感じがするのは、かなり厳しいものがあります。それは、単なる小さな仕事の打ち合わせ1つでも、覚悟を決めて出かけていくイベントになってしまうと言うことであり、しかも、何かを間違うと出席できないという可能性もあり得ます。

 そこで、ふと思い出したのが、2年前の入院から退院した直後です。あの時も、体力がとても低下していました。そして、閉じこもってばかりではダメだと思い、かなりの一大決心をして新宿歴史博物館まで行きました。それが、この歴史資料館巡りの最初の行き先でもありました。

 ここに行った理由としては、仕事をしなければならないという口実のために、外出を否定し、閉じこもるばかりというのは良くないだろう、と入院中に反省したこともあります。

 しかし、ここで重要な思い出は、体力の限界を感じながら新宿歴史博物館に行ったという思い出です。

 常設展示を見て回るだけで疲れ、帰る時には本当に体力限界を超えた感じをしながら四ツ屋駅までふらふらと歩き続けた記憶があります。帰り着いた後は、意識がなくなる感じで眠り込みました。

 そこで、もしも、今、もう一度同じ場所に行ったら、同じような疲労感を感じるのだろうか。そんなことを思いました。

 それに加えて、ここらで原点を確認しておくことも価値がある、という考えもありました。

 そんな感じで新宿歴史博物館のサイトを見ると、「所蔵資料展 描かれた新宿 -佐伯祐三「下落合風景」特別公開-」という特別展もやっているところでした。昔の写真は好きですが、昔の絵も気になります。

 そのため、今日は新宿歴史博物館に行くことに決めました。

 経路はもちろん、あの日と同じ経路で歩くことが前提です。つまり、丸ノ内線の四谷三丁目で降りて、新宿歴史博物館に行き、四谷駅まで歩くのです。

消防博物館にも寄る §

 さて、四谷三丁目といえば、かつては技術評論社があった場所です。技術評論社にはしばしば打ち合わせに行きましたが、地下鉄の駅から出るところには、消防博物館という何やら面白げな施設があることに気付いていました。しかし、気になるものの立ち寄ったことはありませんでした。

 今回、どうせ通過する場所だから、ということで、ここにも立ち寄ってみることにしました。

消防博物館消防博物館 [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

 しかし、単なる消防のPR施設だから、ちらっと見れば終わりと思ったのは大間違い。

 非常に見応えがあって、歴史資料館的な側面もちゃんとある立派な内容でした。

 特に良かったのは、江戸時代の町並みの模型です。この手の模型は、比較的良く見かけるものです。しかし、よく見かける模型が、通常状態の建物が並んでいるのに対して、ここの施設が展示している模型は、いままさに延焼阻止のために取り壊しつつある建物なのです。屋根が地面に落ちている状態の建物や、瓦の一部が外れている屋根などが見られます。これは、なかなかユニークで面白いと思います。

 また、消防の格好良さ、というのも再確認しました。

 出撃!マシンロボレスキューという非常に良質で優れたアニメがあるのですが、ここで描かれるレスキューの描写の格好良さが、フィクションではなく、実際の消防の業務の格好良さだと分かったのは収穫でした。

さて、いよいよ新宿歴史博物館 §

新宿歴史博物館新宿歴史博物館 [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

 新宿歴史博物館に到着すると、最初に来たときのことがいろいろと思い出されてきます。

 まず常設展示に行きましたが、今なら他の歴史資料館と比較して見ることができます。質的にも量的にも、かなり良いものだと思います。最初にここを見て、ガツンとやられたのは、とても幸運だったと思います。

 「所蔵資料展 描かれた新宿」の方は、ちょっと期待したのと違う感じでした。

所蔵資料展 描かれた新宿所蔵資料展 描かれた新宿 [300x225] [600x450] [750x562] [1000x750] [1632x1224]

 新宿の絵、というよりは下落合など、新宿「地域」に属する場所の絵で、まさに新宿という街の過去を期待したことは間違いでした。しかし、絵としては魅力的なものもありました。企画展は無料なので、十分すぎるほど良いものだったと思います。

帰り道 §

 あの日は、確か、帰りに吉野家に入って牛丼を食べたんだよな、と思いつつ吉野家に入ってみましたが。牛丼がメニューにありません。仕方がないので、豚キムチ丼を食べましたが。前に食べた豚丼とはだいぶ味の印象が違いました。やはり、味も随時改良されているような感じを受けます。

 そうして、ふらふら、へとへとになりつつ四谷駅まで歩いたわけですが。

 確かに体力は低下しているものの、結果として、あの当時とは違うことが分かりました。

 体力低下は事実であって、しかも疲れ果てたのは間違いのないことですが。

 それでも、今は底力がある、という感じです。ダウンして終わってしまうのではなく、最低限のところで粘り続ける体力があるのです。

 その限界体力を使って、そのあと新宿のヨドバシでSH900iを買い込んで、引き渡し時間待ちとして喫茶店(ルノワール)で、この文章を書いています。

 そういえば、喫茶店でこの手の文章を書くというのも初体験ですね。いや、書こうとしたことはありますが、集中できずに書けなかったように思います。しかし、今日は、ちゃんと集中して書けたという点で、画期的な経験かもしれません。

 (文章を書いたのはルノワールですが、これを推敲して書き込んでいるのは、帰宅後です)